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花まんま原作の結末ネタバレ!時代が移り変わっても変わらないノスタルジー

鈴木亮平さん×有村架純さんでW主演が決定した花まんまは、2005年に第133回直木賞受賞作品として知られる兄妹の不思議体験と感動的な結末を描いたヒューマンドラマです。

花まんま原作は朱川湊人さんによる同名小説で、昭和30~40年代の大阪の下町が舞台の6編の短編集で構成された作品です。

時を経ても残り続ける、あの頃のノスタルジー、そして不思議な体験を綴った珠玉の作品集、花まんまはどんな結末を迎えるのでしょうか。

そこで今回は花まんま原作の結末をネタバレすべく、花まんま原作の結末ネタバレ!時代が移り変わっても変わらないノスタルジーと題してお届けします。

花まんま原作の結末ネタバレ!


不思議で懐かしい誰しもが感じた”あの頃の記憶を蘇らせる”物語を綴る花まんま。

花まんまの映画化決定がした今、原作も注目されていますが、どんな内容で結末はどんな展開になるのか気になりますよね。

ここからは花まんま原作に描かれる物語とあらすじ、そして結末についてネタバレ調査していきます。

花まんま原作のあらすじ

花まんま原作のあらすじ

物語の舞台は昭和30年代~40年代。

大型トラックの長距離運転手だった父親が事故でなくなり、兄の加藤俊樹は家族の大黒柱として母と妹のフミ子を支えながら暮らしていました。

消して贅沢はできなかったものの、それでも細々と楽しく3人で生活をしていました。

ある日フミ子が4歳になった冬に、母親のお腹の中にいた記憶を話し、そのあと急に嘔吐したので、救急車に運ばれることに。

病名は風邪だったようで3日ほどで回復したフミ子でしたが、これを機にフミ子は薄暗い部屋に閉じこもりふさぎ込んでしまいます。

そして大人びた口調で突然フミ子は”私は重田喜代美”の生まれ変わりと言い出したのです。

その三か月後、フミ子は自分の記憶にある”彦根市”に行きたいと言い出し、兄に連れて行ってほしいと願います。

そこで俊樹はフミ子の願いを聞き入れ、母親に知られないようこっそりと出かけますが…。

花まんま原作ネタバレ内容①フミ子は彦根市での再会

フミ子は兄の俊樹と共に電車で揺られながら、目的の彦根市に到着しました。

到着したとたんに何かを思い出したように、フミ子は”なつかしい”気持ちでいっぱいになります。

彦根市にある小さな甘味処であんみつを食べていると、フミ子はそこに位置する文具やの女性は私の同級生だと言い出し、ノスタルジーに浸りました。

そんな時、白髪の年をとった男性が通りかかり「父ちゃんだ」とフミ子が言いだします。

父ちゃんはとっくに亡くなったのに、にわかに信じがたい言動をしている妹の様子をみてた俊樹でしたが、妹の言動が本当なのか、文具やにいる同級生と思われる女性に話しかけるのでした。

その同級生によると、白髪の老人は十数年近く前に年頃の美しい娘を亡くしたと、話しました。

花まんま原作のネタバレ内容②重田喜代美は誰なのか

白髪の老人はひどくやせ細っていました。

なぜなのでしょうか。

それはまだ愛娘が生きている頃、老人は会社勤めをしていましたが、娘が苦しんでいる最中に呑気に仕事をし昼ご飯を食べていた自分を恨んで、最低限の食事しかしなくなったからです。

娘が死んだのは自分のせいだと、老人は責任を感じていたのでした。

そして老人の娘とは重田喜代美という女性です。

フミ子は自分の中の記憶にある重田喜代美として亡くなったことを覚えていました。

当時エレベーターガールとして働いていた重田喜代美は、全く知らない異常者に背中を刺されて亡くなったのです。

そしてフミ子の背中にも、ちょうど喜代美が刺されたと思われる場所と同じ場所に、長ぼそいアザがあるのです。

刺された場所と同じ場所にフミ子もアザがあることで、喜代美の生まれ変わりがフミ子であることが確実になってきました。

花まんま原作のネタバレ内容③フミ子からの贈り物

その後フミ子は俊樹と、母の作ってきた弁当を近くの公園で食べることにしました。

老人=父との再会で、父の様子を見たフミ子は、気持ちが落ち込み食べ物が喉を通りませんでした。

フミ子は喜代美の記憶がありましたが、老人は喜代美と見た目が違うフミ子のことを全く知らないので、直接何かできることがありません。

そこでフミ子は兄の俊樹に、空になった弁当箱に咲いていたツツジをいっぱいに敷き詰め、老人に渡すことを提案したのです。

ご飯に見立てた白ツツジ、そして日の丸弁当のように赤いツツジも添えて。

俊樹は不思議に思いながらも、花いっぱい敷き詰めた弁当箱を老人に渡すことにします。

すると老人と共に、喜代美の墓参りに来ていた親戚たちが「何をふざけているのだと」俊樹を問い詰めるのでした。

しかしそんな中、喜代美の父だけは反応が違いました。

花まんま原作の結末ネタバレ!娘の気持ちが詰まった花まんま

弁当をあけた喜代美の父”重田仁”は、喜代美が幼少期の時によくおままごとでやっていたことを思い出します。

まだ喜代美が子供の頃、喜代美はよく花をいっぱいに敷き詰めた弁当箱を父親に渡し、重田仁は花を箸でつまみ食べるふりをしたりして遊んでいたのでした。

弁当箱を受け取った重田仁の手は感動と懐かしさで震えました。

父の様子をみて、そこにいた喜代美の姉は、天国にいる喜代美から「父ちゃん、ちゃんとご飯を食べて」というメッセージが込められている、だからこの弁当を持たせたのだと言いました。

これは一体誰がやったのか、親戚の一人が俊樹に尋ねようとしたところ、既に俊樹はその場から逃げてしまっていました。

待っていたフミ子と共に、俊樹は大阪へ帰るためのバスに乗って駅に向かいました。

そこで再び、重田仁とその家族が居たのです。

重田仁はフミ子のことを見て、喜代美ではないか?と声をかけましたが、俊樹はハッキリとこの子はそんな名前じゃない!フミ子は俺の妹だと言いました。

俊樹は力いっぱいにフミ子を抱きしめ、重田仁には住所も連絡先も教えず、大阪に帰ったのでした。

そして時は経ち、フミ子は喜代美が亡くなった21歳になりました。

フミ子はお付き合いをしていた真面目な男性との結婚を控えています。

またフミ子の口からは喜代美の名前を聞くことはなくなりました。

俊樹はそんなフミ子の様子を見てホッと一安心し、これからも妹のフミ子を見守っていきたいと考えるのでした。

花まんま原作の考察と感想

花まんま原作の考察と感想を書いていきます。

妹を守るための兄の選択

昭和を舞台にしているので、あの頃の懐かしい思い出を振り返るような内容に、ノスタルジックな気分に浸れる作品だと感じました。

科学的に説明できない何か不思議なものは、フミ子のケースのように「ある」と考えます。

生まれ変わりだと突然言ったフミ子に対し、最初兄は動揺したと思いますが、何があっても妹を守ろうとする姿勢に感動しました。

フミ子が誰の生まれ変わりであろうと、最後まで妹のやりたいことをやらせ、行きたい場所に行かせた兄の選択は間違っていなかったと思います。

これでフミ子の生まれ変わりで記憶に存在する喜代美も、無事に成仏できたのではないかと思いますし、喜代美の父も娘が見守ってくれていると感じれたのではないでしょうか。

また俊樹が駅でフミ子をぎゅっと抱きしめたのは、紛れもなくフミ子は喜代美ではなく自分の大事な妹フミ子だからでしょう。

喜代美はもう亡くなっている人、そしてフミ子はこの先将来がある生きている人です。

フミ子の将来を守るためにも、冷たいと思われたとしても兄の行動は間違っていなかったともいます。

また結末にはホッとする展開が描かれていましたね!フミ子は今後も兄に見守れながら、懸命で幸せな人生を歩んでいくのだと思います。

まとめ

花まんま原作の結末ネタバレ!時代が移り変わっても変わらないノスタルジーと題してお伝えしました。

花まんま原作の結末ネタバレ調査していきましたが、全く知らない他人の記憶がある妹と兄の物語だということがわかりました。

不思議な体験を通じ、兄妹の愛を感じる内容でしたね!

原作では短編集のようになっていますので、劇場版では一括りの物語になっていると予想されますが、見終わった後に心に心地いい余韻が残るような感動的な作品になっていると思います。