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悪い夏の原作の結末ネタバレ!悪夢のような夏が迎えた最終結末

映画の悪い夏は、真面目な主人公が”破壊”へ”転落”していく様を描く、染井為人同名小説を原作にした作品です。

主人公には北村匠海さんを迎え演じるのは、ひ弱ながら真面目に仕事をしてきた佐々木守という男性。

とある事情から職場の先輩の尻ぬぐいをしにいくはずだった守でしたが、思わぬ方向へ物語は転落していき、衝撃的なサスペンスへと繋がるのですが、果たして守はどんな地獄を味わうのか、悪夢のようなひと夏の物語は主人公をどんな風に変えてしまうのか結末が気になるところ。

そこで今回は悪い夏の原作の結末ネタバレ!一人の男を変えてしまった悪夢のような夏が迎えた最終結末とはと題してネタバレ内容をお届けします!

悪い夏の原作の結末ネタバレ!

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作の悪い夏は、読者ファンの間で”極悪小説”と称賛された傑作。

原作小説に登場するキャラクターは”クズ”そして”ワル”しかいないのに、なぜか最後まで見逃せない中毒性があると言われています。

そんな悪い夏はどんな内容で、原作の結末はどのように描かれているのか調査していきますのでさっそく見ていきましょう!

悪い夏のあらすじ

悪い夏のあらすじ

公務員で社会保険事務所で働く佐々木守(北村匠海)は、同僚・宮田有子(伊藤万理華)に事務所の先輩(毎熊克哉)が生活保護を受給しているシングルマザーに肉体関係を強要していると聞かされます。

その真相を確かめるために宮田と現場に向かったところ、育児放棄寸前の愛海(河合優実)の姿を現しました。この出会いから自然に愛海に惹かれてしまった守は、ついに踏み出してはいけない一歩を踏み出してしまいます。

愛海は裏社会の”金本(窪田正孝)”とその愛人の莉華(箭内夢菜)と繋がっており、犯罪計画に手を染めようとしているのでした。

そうとは知らずどんどん愛海にのめり込む守は、不当自給のワル、東京進出を企むヤクザ、貧困に苦しむシングルマザーたちも加わり、悪夢のような夏をすごすことになってしまうのです…。

悪い夏の主な登場人物

【ケースワーカーとして働く人々】

  • 佐々木守=26歳・生活保護受給者の相談役(ケースワーカー)愛海と出会い闇落ち。
  • 高野洋司=佐々木の先輩・既婚者。浮気をしたり仕事には不真面目。
  • 宮田有子=佐々木の同僚・真面目に働き優秀な相談員。
  • 嶺本=佐々木の上司。ゲイとの噂。

以上が佐々木側にいる職員たちで、高野以外は問題なさそうに見えますが、佐々木がケースワーカーとして愛海に出会ったことで人生を狂わされることがわかります。

ここからは愛海側の登場人物も見てみましょう。

【生活保護受給者とその他周辺の登場人物】

  • 山田吉男=佐々木の担当。42歳の生活保護受給者だが、腰痛を理由に不当自給。愛海に佐々木を誘惑するように指示し、反社と繋がっている。
  • 林野愛海=高野の担当。育児放棄寸前のシングルマザー、美空4歳と暮らす生活保護受給者。
  • 莉華=愛海と繋がりがあり、風俗に誘うシングルマザー。元ヤンで、ヤクザの金本と付き合う。
  • 金本龍也=以前は東京で派手にやっていたが、今は飛ばされ船岡を拠点とするヤクザ。違法薬物の販売、風俗の経営で稼いでいる。
  • 古川佳澄=32歳で夫を亡くし小学3年生の男の子を育てるシングルマザーだが、仕事が続かず万引きを繰り返している。
  • 石郷=ヤクザと繋がっている医師

愛海にいる周りの人間があまりにも”ワル”だらけで驚きますね。

社会保障のシステム上で働く人間と、社会保障を受給する人たちが思わぬ展開で繋がっていき、最後にはこの世界で真面目に働く一般人がどのように闇に落ちていくのか気になります。

主人公の名前が”守”というのも、内容とのギャップを感じさせますが、守はどんな崩壊と転落を迎えるのでしょうか。

悪い夏の原作の内容ネタバレ①先輩と愛海の関係

ケースワーカーの先輩、高野は愛海に何をしていたのか?

  • 高野は生活保護受給者のシングルマザー愛海を担当。
  • 愛海は生活保護を不当に受給しながらセクキャバで働いていたことを高野にバレてしまう。
  • 高野は不当受給をバラさらない代わりに愛海に肉体関係を強要し、更に2万円受け取っていた。

高野のクズっぷりがわかる内容です。

愛海が不当に生活保護金を受け取っていたのも悪い事ですが、公務員の高野が更にワルに感じますね。

悪い夏の原作の内容ネタバレ②暴力団員と愛海の関係

高野の悪事ぶりは明らかでしたが、愛海は高野が自分にしてきたことを認めずにいました。

その理由が大きく2つありました。

  • 高野の悪事を認めることで生活保護の受給がなくなるのを恐れているため。
  • 愛海と金本龍也の愛人・莉華は繋がっており、高野に脅されていると相談。莉華は金本に話すことで、金本は”高野を脅し貧困層に生活保護の受給ができるように強要し、受給できた人たちから金をまくり上げようという企みをしていた。

金本は高野の弱みを握りたい上、更に受給者たちを巧みに操り金集めをしようと企んでいるようです。

金本は現在地元で違法薬物の売買と風俗店を経営するヤクザをしていますが、再び東京進出をするという願望を叶えるためにも金が必要なんですね。

しかし、この計画は高野と愛海の関係が上にバレる=高野がクビになってしまうため意味がないとわかり、計画は途中断念となります。

この一部始終を見ていた佐々木守の担当、山田吉男はある考えを思いつくのでした。

悪い夏の原作の内容ネタバレ③山田吉男と愛海の関係

山田吉男は金本の手下として違法薬物の運び屋をしながら、不当受給をするクズです。

山田が計画したのは以下の通り。

  • 愛海に惹かれつつある佐々木守を誘惑し、生活保護不当受給の金額の上限まで引き上げること。

悪い夏の原作の内容ネタバレ④佐々木守の悪夢

愛海は山田に指示されたように佐々木守を誘惑しましたが、守といる時間に居心地の良さを感じていました。

ですが山田の計画は、莉華が愛海と守が付き合っていると金山にバラしたせいでむざんにも敗れてしまいます。

金山はこれを利用せずにいられないと、愛海の利用し守に薬物を飲ませるように仕向け薬物漬けにしてしまうのでした。

そして守は判断力が鈍ったことで生活保護の受給者審査が甘くなり、どんどん審査を通してしまう事態に陥ってしまいます。

生活保護の受給者と金本はもちろん繋がっていて、受給者から金をまくりあげる計画でした。

悪い夏の原作の内容ネタバレ⑤崩壊

市役所に警察がきたことで、親子の餓死がわかった守。

本当に受給が必要な人に審査を通すことができなかった守はスイッチが入ったように愛海の元へ行き、気づいたら包丁を持っていたのです。

  • 後から愛海の元へ来た莉華を守は包丁で刺してしまい、後に愛海は亡くなる
  • 辞職をし金本のもと働いていた高野と宮田が愛海のアパートに駆けつける
  • 実は高野と宮田は不倫関係にあった
  • 仕事も家族も失った高野は愛海に恨みをもち、金本らと揉みあいに
  • 愛海は美空をかばい逃げようとするが、金本に蹴り飛ばされる
  • 金本の行動をみて山田は昔ことと重なり怒り金本を包丁で刺してしまう

あまりにも情報量が多いですが、大の大人が大喧嘩したのち、警察の到着で終わりを迎えます。

悪い夏の原作の内容ネタバレ結末!佐々木守の転落

佐々木守は愛海の子供、美空が書いた絵を見つめていました。

守はあの夏がトラウマになり、毎年夏になるたびに家の中に引きこもり身体が動かなくなってしまうのでした。

その時、乱暴にドアをたたきながら家のインターホンが鳴ります。

佐々木さん!いるんでしょ!?生活保護はあなたみたいな人間にー…

ドア越しに怒鳴られる守は、生活保護の受給者側となって生活をしていたのでした。

悪い夏の原作の結末の感想と考察

悪い夏の原作の結末の感想と考察をしていきます。

人の転落を見事に描いたバッドエンド作品

意外にも知らないケースワーカーとしての仕事、そして生活保護がどのように通されているかという事実。

本当に受給されるべき人へ受給されるためにも、ケースワーカーという仕事は大事なのですが、いくら真面目に働く人でもたった一つの過ちでここまで闇落ちしてしまうのかと考えると”悪夢は日常的に転がっているという”、人間界の恐ろしさを感じさせます。

重いテーマでありながら予告編で見ると爽快感も感じさせるエンターティメント性溢れる映画になっているようにも見えるので、絶妙なバランスがこの作品を面白くさせているのではないでしょうか。

ワルとクズしかいないのに中毒者が続出する理由も、結末まで見ればよく分かりますよね。

また、審査を通す側から生活保護の受給者側になった守は今何を思っているのか、考察し甲斐のある最高な結末ラストだったのではないでしょうか。

いや、守は何も悪くなかったのに…と悔やまれますね。

果てしなく切ない、苦しい、そして胸糞悪いですが、見終わった後には仲間内で語り合えそうな作品になっていると思いました。

まとめ

悪い夏の原作の結末ネタバレ!一人の男を変えてしまった悪夢のような夏が迎えた最終結末とはと題してお伝えしました。

映画の悪い夏は染井為人同名小説を原作にした作品です。

ワルとクズしか登場しない、極悪エンターティメントサスペンスとして知られる作品ですが、なんとも感想が言い難い胸糞悪いラスト結末を迎えたと思います。

真面目な一人の人間が、人との出会いでここまで闇落ちしてしまうなんて、恐ろしい世界ですよね。

また生活保護の受給者のリアルと闇も垣間見える作品だったと思います。

映像化されると更にその闇のリアルが生々しく描かれると思いますので、映画館で染井為人ワールドを体感したいと思いました。