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少年と犬の原作の結末ネタバレ!幾度と人との別れを経験し多聞が西を目指した理由

ノワール小説の先頭を行く小説家の馳星周さんが2020年に発表後、直木賞受賞作し、2025年現在まで累計50万部を達成した少年と犬は、人間と犬の絆を描いた感動傑作です。

そんな少年と犬は、3月20日(木・祝)に映画公開されることが決定しましたが、映画では原作のストーリーを交えながらもオリジナル要素を加えていくと公式に発表しています。

主人公の犬は、“多聞”(たもん)そして、多聞と旅する少年の和正、そして多聞に救われる女性の美羽などが登場し、数多くの人々と交流し寄り添いながらも日本の西側を横断していく多聞の結末は何が待ち受けているのでしょうか。

そこで少年と犬の原作を中心に結末ネタバレ調査するため、今回は少年と犬の原作の結末ネタバレ!幾度と人との別れを経験し多聞が西を目指した理由と題してお届けします!

少年と犬の原作の結末ネタバレ!

東日本大震災直後を舞台に描かれる、多聞を通し出会った人たちのドラマ、そして多聞が一番の目的としている日本の西には何が待ち受けているのでしょうか。

馳星周さん原作、少年と犬の原作とあらすじ、主に登場してくる人物、そして結末のネタバレを調査していきます。

少年と犬の原作のあらすじ

少年と犬のあらすじ

…ー多聞にはどうしても会いたい人がいるー…

舞台は東日本大震災後の仙台。

震災で職を無くした和正は、先輩の盗品を配達するという人道から外れた仕事で生活をまかなっていました。

そんなある日、和正はコンビニで一匹の犬と出会います。

飼い主はその場にいないようで、首輪には”多聞(たもん)”と記されていました。

「きっと被災者の犬なのかもしれない」と和正は思います。

”誰も飼い主が居ないんじゃ”となり、和正は多聞を連れて帰ることにしますが、多聞はとても賢く優しく和正の仕事を見守ったり、認知症の母親を笑顔にしてくれたりと、いつしか多聞は和正にとってかけがえのない存在になっていきます。

そんな多聞と生活をしていくにつれ、多聞はいつも”西の方角”を気にしていると、和正は気づくのです。

その後、和正は職柄のせいで危険に巻き込まれ、多聞とは離れ離れになる事態に…。

時は流れ、多聞は罪を隠し続ける女性、美羽と出会います。

美羽は多聞と出会ったことで平和な日常を取り戻していきますが、多聞を追いかけてきた和正と出会うことになります。

最初は和正を警戒していた美羽でしたが、多聞を通じ徐々に二人は心を通わせていきます。

しかし美羽の平穏な日常は続かず、罪から逃れることはできそうにありません。

そこで和正は美羽と”多聞を必ず届ける”と約束し、多聞が目指す西の方角へ旅するのでした。

そこで待ち受けていた残酷な現実と奇跡とは…。

少年と犬の原作のネタバレ①多聞が出会う人々

少年と犬の原作では、最終的に多聞が目指す西の方角にいる少年と再会するまで、日本の西側を横断していくストーリーになっています。

そして多聞は旅する中で、たくさんの人々と出会い、別れを繰り返していくのですが、その人々たちがかなりのクセものなんです。

ここからは原作小説の序章から結末までに多聞と出会う人々を簡単に紹介していきます。

  • ①「宮城県・仙台」で男=犯罪に手を染めていた男
  • ②「新潟県・新潟」で泥棒=ヤクザに追われて銃雑
  • ③「富山県・富山」で夫婦=夫のほうが山で滑り転落死
  • ④「滋賀県・大津」で娼婦=娼婦は彼氏を殺害し逮捕
  • ⑤「島根県・島根」で老人=クマと間違わで銃殺される
  • ⑥「熊本県・熊本」で少年

以上、多聞と出会う人々の結末を見ると、あまりにも散々です。

こんな散々な人々であろうとも、多聞は賢くその都度変わる飼い主たちに従順でした。

そしてこの人々と出会い・別れを繰り返し最後に多聞は少年と再会するように思えるのですが、無事に再会できるのでしょうか。

少年と犬の原作のネタバレ②多聞はどこ出身の犬?

原作を読んでいくと、多聞は結局どこ出身の犬で誰に飼われていたのか気になってきます。

多聞は岩手県釜石市に住んでいた犬で、飼い主は東日本大震災で被災し亡くなっていたのです。

つまり和正の思ったように、多聞は被災者の飼い犬だったのです。

少年と犬原作のネタバレ③多聞が西を目指す理由とは

多聞が和正や様々な人たちと出会いと別れを繰り返しても、西を気にしていたのは、とある少年と再会したいがためでした。

多聞と少年が出会ったのは、岩手県で飼い主と散歩しているとき、公園での話です。

少年が多聞と意気投合し、多聞をたくさん可愛がってくれた少年は飼い主の次に少年を好きになったのです。

ですが多聞は飼い主が亡くなってしまいました。

ですので多聞は飼い主の次に好きな少年に会いたいと願い、西へ旅しようと思ったのです。

少年と犬の原作の結末ネタバレ①少年と犬は再会できたのか?

東日本大震災から5年の月日が経った2016年、多聞は西の方角を目指し日本を横断。

そして多聞が目指す少年は熊本県で発見することができ、再会がついに叶う時が来たのです。

少年は東日本大震災をきっかけに精神的なショックを受け失語症になっていましたが、多聞との感動的な再会で病気を治すことが出来ました。

しかし感動的な再会だけでは終わらないのが結末です。

少年と犬の原作の結末ネタバレ②再び被災者に

2016年4月14日と16日に熊本を襲う大地震「熊本地震」が発生。

再び少年は地震の被災者になってしまうのでした。

少年の家族が住んでいた古民家は崩れ、少年は下敷きになってしまいますが、奇跡的に無傷で救出されます。

無傷だった理由は少年の上に多聞が覆いかぶさったためでした。

つまり多聞が少年の命を救ったのです。

しかし多聞は木材の破片が突き刺さり重傷を負ってしまいました。

早急に処置するべく、少年と両親たちは多聞を病院に連れていきますが、先生にはもう助からないと安楽死を進められてしまいます。

少年と両親たちは多聞に向かい、多聞のおかげで少年の命が救われたことや感謝をめいいっぱい伝えました。

そして多聞はそれを理解したかのようにゆっくりと目を閉じるのでした…。

多聞が亡くなったことを父親は少年に伝えます。

少年は「多聞はここにいる、多聞は死んだからいなくなったわけではない」と、多聞の死を前向きに受け止め理解する姿勢を見せました。

少年は多聞のおかげでまた一段階成長したようでした。

少年と犬の原作の考察と感想

少年と犬の原作の考察と感想をかいていきます。

純粋で真っすぐな犬と人間との対比

多聞は最後の最後まで少年のこと一度たりとも忘れず想い続けていたとわかる、あまりにも壮大な愛に感動する作品でした。

多聞は少年と再会を果たす間、様々な人たちと交流がありましたが、どんな苦境に置かれようが、その都度変わる主人に一生懸命に寄り添おうとしました。

多聞を通し人間の醜い部分が浄化されていくようなストーリーだったとも感じられます。

多聞と出会ったことで平穏な日常を取り戻していく人たちは、多聞の愛に気付かされたところが沢山あったと思います。

悲惨な死を遂げた人々でしたが、最後に多聞に出会えたことは人生の宝になったのではないでしょうか。

また作品を通して犬の素晴らしい素質にも気づかされますし、犬好きな方も、犬がそこまで好きではない方でも多聞の一途な想いに感動させられるに違いありません。

最後に多聞は少年を守ったことで亡くなりましたが、多聞のおかげで少年も成長できたと伺える結末だったと思います。

いつかは訪れる最愛の相手の死を乗り越え、成長した少年にも感動してしまいますね。

まとめ

少年と犬の原作の結末ネタバレ!幾度と人との別れを経験し多聞が西を目指した理由と題してお伝えしていきました。

少年と犬の原作は馳星周(はせ・せいしゅう)さんが描く原作小説作品です。

タイトルを回収するため、犬の多聞が少年と再会するまでのストーリーが描かれる作品でしたが、人間と犬の絆に感動させられる内容でしたね。

原作では完全なハッピーエンドではないですが、前向きで感動的な結末だったと思います。

映画ではオリジナル要素も入ると公式に発表していますので、どんな少年と犬に出来上がるのかとても楽しみです。